「きこえ」と「脳」の健康を守る
4つの取り組み
私たちは、単に「耳の治療」や「補聴器の調整」を行うだけではありません。最新の医学研究に基づき、患者さんの「脳の健康」と「豊かな生活」を末永くサポートさせていただくことこそが、専門クリニックの使命であると考えております。
当院では、以下の4つの視点から、患者さんお一人おひとりに最適なケアをご提案申し上げます。
近年の医学研究において、難聴は単なる「聞こえにくさ」の問題にとどまらず、認知症の大きなリスク要因であることがわかってまいりました。 慶應義塾大学の研究(2025年)などによると、たとえ軽度の難聴であっても、適切なケアを行わないまま放置すると、認知機能に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
一方で、長期的に補聴器を適切に使用されている方々は、このようなリスクが軽減されることも明らかになっています。 当院では、聴力検査に加えて「認知機能のチェック」も合わせて実施しております。難聴によって会話が億劫になり、社会から孤立してしまうことを防ぐため、早期から「脳の健康」を見守り、いつまでも会話を楽しめるようサポートさせていただきます。
私たちの診療方針は、以下の学術論文等の知見に基づいております。
- 難聴と認知機能の関係について Nishiyama T, Oishi N, et al. (2025). “Relationship between hearing thresholds and cognitive function in hearing aid non-users and long-term users post-midlife.” npj Aging, 11(1).
- 認知症予防に関する国際的な報告 Livingston G, Huntley J, et al. (2020). “Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission.” The Lancet, 396(10248), 413-446.
「検査では聞こえていると言われるのに、雑音の中では会話が聞き取れない」。 そのようなお悩みをお持ちではありませんか? 当院では、その原因を突き止め、解決するための先進的な検査体制を整えております。
耳の形や響き方は、指紋のように一人ひとり異なります。そのため、補聴器の調整には、コンピューター上のシミュレーションだけではなく、実際に耳の中にマイクを入れて音を測る「実耳測定」が不可欠です。当院ではこの測定を必須とし、科学的根拠に基づいて、患者さんの耳に本当に合った音をお届けいたします。
一般的な聴力検査に加え、脳がどれくらい雑音を処理できるかを見る最新の検査(ACTやJ-MATRIX等)を導入しております。これにより、「雑音をどれくらい抑えるべきか」「特殊なマイクが必要か」などを判断し、患者さんの脳の処理能力に合わせた最適な機器選定を行います。 また、補聴器だけでは改善が難しい場合には、人工内耳などの高度医療機関へのご紹介も含め、責任を持って判断させていただきます。
- 実耳測定(REM)の重要性について Amlani AM, Pumford J, et al. (2016). “Real-Ear Measurement and Its Impact on Aided Audibility and Patient Loyalty.” Hearing Review, 23(10), 12-21.
- 雑音下での聞き取り予測検査について Zaar J, et al. (2023). “A spectro-temporal modulation test for predicting speech reception in noise.” Trends in Hearing, 27.
デジタル技術を活用し、ご来院が難しい場合でも安心してご相談いただける体制を整えております。
• 初診について: 医師法の規定により「対面診察」が原則です。
• オンライン希望の方: WEB問診時にコメント欄へご事情をご記入ください。
• お願い: 症状や相談内容に応じて、初回に対面での診察が必要と判断した場合は、直接のご来院をお願いする場合がございます。
患者さんの状況に合わせ、最適な相談方法を一緒に検討させていただきます。
「今の補聴器が合っているかわからない」「手術を勧められたが迷っている」といった不安をお持ちの方へ、第三者の立場から専門的な意見を申し上げます。これまでの検査データなどを拝見し、患者さんやご家族が心から納得して治療に進めるようお手伝いいたします。
- 聴覚ケアにおける遠隔医療(テレヘルス)の有効性 Swanepoel de W, Hall JW III. (2010). “A systematic review of telehealth applications in audiology.” Telemedicine and e-Health, 16(2), 181-200.
- 成人補聴器リハビリにおける遠隔サービスの検証 Tao K, Brennan-Jones CG, et al. (2018). “Teleaudiology services for rehabilitation with hearing aids in adults: a systematic review.” Journal of Speech, Language, and Hearing Research, 61(7), 1831-1849.
音を「言葉」として理解しているのは、耳ではなく「脳」です。補聴器や人工内耳の効果を最大限に引き出すためには、機器の調整だけでなく、脳のトレーニングが欠かせません。
聞こえてくる音声を真似して復唱する「追唱(シャドーイング)」などを行います。耳だけでなく、脳もトレーニングする練習です。これにより、言葉を聞き分ける能力や会話のスピードについていく力、コミュニケーション能力の向上を目指します。
難聴の方は、「聞くこと」に集中しすぎて脳が疲れてしまいがちです。会話の内容を覚えておく「ワーキングメモリ」や、雑音の中で聞きたい声を選び取る「注意機能」を鍛えるプログラムをご提供します。 専門スタッフが、補聴器の調整とトレーニングの進み具合を細かく合わせながら、患者さんが途中で諦めてしまわないよう、二人三脚で伴走させていただきます。
- 加齢に伴う神経機能低下とトレーニングによる回復 Anderson S, White-Schwoch T, et al. (2013). “Reversal of age-related neural timing delays with training.” Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 110(11), 4357-4362.
- 難聴者に対する聴覚トレーニングの効果 Henshaw H, Ferguson MA. (2013). “Efficacy of individual computer-based auditory training for people with hearing loss: a systematic review of the evidence.” PLOS ONE, 8(5), e62836.

